五感が研ぎ澄まされる。
大学在学中に力石化工でアルバイトをする機会があり、その時初めて「めっき」というものに触れました。 油まみれで光沢のない素材が、めっきを施すことでピカピカと輝きを放つ。めっきの凄さと、モノづくりの底力に大きな感動を覚えました。めっきの技術は身近で幅広く使われています。日用品や車、ロケットの部品にまでめっきが施されているんです。スマートフォンは微細なめっき加工がなければ作ることができません。そういう世の中に役立つモノづくりに携わっている責任と誇りを抱きながら仕事をしています。
モノづくりの楽しさは、自分の意志で形を作り、変化させ、付加価値を生むこと。 創造性の高いモノづくりの世界で働けていることに日々幸せを感じています。現在は主にアルミ等の非鉄金属に無電解ニッケルめっきや潤滑性無電解ニッケルめっきの処理を行う仕事を担当しています。大量生産ではなく、いわゆる一点物の製品も多いため、手作業でめっき処理を行います。お客様の希望を一発勝負で実現させなくてはいけませんので、繰り返し打ち合わせをして想いを取りこぼさないように耳を傾けます。
お客様の声を聞く。それがこの仕事をする上で大切な心掛けのひとつ。もうひとつは“声掛け”です。自分が思っていることや取り組んでいる作業をただ黙々と進めず、周りに伝えるということ。多くのスタッフが配置された現場にとって、仕事に対する認識や意識を揃えることが高い品質を保つことになります。仕事の進め方や段取りはもちろん、どんなに些細なことでも声を掛け合って仕事に取り組むことで事故を防ぎ、 仕事の効率を上げて、品質を保てると思っています。聞くこと。声を掛けること。仕事を進める上で欠かせない要素ですね。
実家が力石化工のすぐ近くなので、幼い頃から会社の存在は知っていました。入社する前は近所の会社くらいの印象でしたが（笑）、実際入社してみると街の草取りや雪かきの自主活動や、地域環境に配慮した排風・排水設備の徹底など、とにかく“街に優しい企業”だということを知りました。会社のある坂城町は製造業の町。さまざまな分野や業種の小さな企業がたくさんあります。それぞれ得意分野を持った同じ規模感の会社が集まっている町で、めっきという分野を武器に坂城町を「技術の町」として盛り上げることに一役買っていることも誇らしく思いますね。
会社の強みは新規参入が難しい分、競合他社が少ないところ。そして豊富なめっきの種類です。何より仕事につくスタッフの熱意や責任感がすごい。人の強さが会社の強さだなと実感します。お客様ファーストを忘れず、徹底的に顧客ニーズを追求する姿勢は自分もまだまだ学びが足りないなと思うこともあります。探究心の塊のような先輩も多く、何事にも興味を持ち学ぶ姿勢は会社に入って養われたと思います。今目の前で起きている現象はどういうことなんだろう、なぜそんな反応が起こるのだろうという、化学的な視点で物事を捉えるようになったのも職場で一緒に働く仲間たちの影響です。
最近では製品を触るだけでなんとなく材質が分かるようになってきました。経験と知識、そして興味によって五感が研ぎ澄まされているんじゃないかなと思います。
仕事はお給料を頂く収入源だけではないんだなと力石化工で働いて実感しています。働くことで人と関わり、学び、自己成長を促す。仕事にはそういう側面もあるんだなと。なぜ？なんで？という視点を常に持つことで仕事が断然楽しくなります。一緒に働く仲間にも、とにかくめっきが楽しい！面白い！と思ってもらいたいですね。
